芸術療法

アントロポゾフィー医学の最大の特徴が芸術療法です。オイリュトミー療法、音楽療法、彫塑や絵画療法、言語療法などが、病状にそって選ばれ、患者さんを精神的・肉体的側面から援助します。芸術活動は、その人自身のの自然で個性的なあり方への理解や治療への能動的なかかわりを促し、自己治癒力を高め、全人的な調和へと導く大きな助けとなります。

絵画療法

素描・フォルメン・絵画療法は、自分自身の内面のバランスをとることに集中的に取り組むための作業です。形と色を体験することで呼吸を整え、心身にリズムを与え、調和をもたらします。また美しさに触れることで、内面を豊かにし、生命力を高めます。使われる画材は、絵の具、チョーク、鉛筆、パステルなどです。

造形療法

造形において大事なのは、患者さんが様々な素材に触れ、取り組むことで、自らの中の意識されていない内的な感覚や力の存在に気づき、それを外にかたちとして現していくことです。石、木、粘土、蜜蝋など、
様々な素材の触覚的な違いや造形感覚が、身体と精神の両方に前向きに働きかけます。

オイリュトミー療法

運動療法であるオイリュトミー療法は、ギリシャ語で「美しいリズム」を意味し、言葉の母音や子音、またリズムなどを手足を使った動きに現します。動きは身体の各器官と深い繋りをもち、バランスの損なわれた機能に働きかけます。それにより生命力や自己治癒力が高められ、心身に調和がもたらされます。

音楽療法

音楽は、理性ではなく感情に働きかけます。療法士は、音楽の要素であるメロディ、ハーモニー、リズム・タクト、響きを患者さんの状態や症状によって選び、聴くこと、または患者さん自身が演奏するなどの方法で、楽器や、声などを使用して働きかけます。そして、患者さんの心の柔軟さを取り戻しながら心身の調和を図り、治療へと作用させていきます。

歌唱療法

スウェーデンのオペラ歌手ヴァルボルグ・スヴァルドストローム=ヴェルベック(Valborg Werbeck-Sverdström 1879-1972)によって生また歌唱指導法から発展したセラピー。子音や母音を様々に組み合わせたものをメロディーにのせて歌います。そして、その言葉の形成力や響きを体と心に作用させます。

絵画、彫刻、身体芸術、音楽、詩。人間の文明の中で培われてきたこれら芸術すべてが、アントロポゾフィーの考え方の下で、治療に役立っています。

各療法の詳細については、リンクページから各療法士の会のウェブサイトをご覧ください。